探偵、「元・依頼人」に家事援助を要請される

いったい探偵と家事が関係あるのか

といったら

あるわけないのである。

しかし、以前の依頼人からの要請でこうなった。

 

だいぶ前に調査依頼を受け

家族もおらず、親族もはるか遠くにいるという

比較的高齢の女性から

 

「体調が悪く体を動かせないので頼む」

という電話がきたのであった。

何事かと聞いてみたら

 

早い話が

体を動かせない、

出歩くこともできない

だから

家の中の掃除と洗濯を頼みたい

という便利屋的な仕事の依頼であった。

 

そういえば

「手術の時は付添いを頼む」

とは言っていたなぁ、と思い出した。

 

手術ではなく家事になってしまったか・・・。

 

 

以前のお客さんだし

ピンチの時に思い出してくれたのは

ありがたいことだし

ということで探偵の便利屋出動となったのであった。

 

家へ行って見ると整然としていて

ゴミ屋敷を想像していた自分としては拍子抜けであった。

 

 

冷蔵庫にうちの名刺が貼ってあったが

その他に

いろんな便利屋のチラシもあった。

それなのに

うちに連絡してくれたのはありがたかった。

 

 

洗濯といっても量が多いのでコインランドリーへ行き

買物といってもあっちこっちの店へ買出しに行き

掃除といっても台所で洗い物して

普段、自分がやっていることを他所でやるだけである。

 

 

そういえば

過去の依頼者からの「その後の依頼」で

高齢者施設に入った人から

「牛丼を買ってきて欲しい」

などというのもあったし、

 

離婚して引越した人から

「家具の移動を手伝って欲しい」

というのもあった。

 

「家電品を買いに行くので付き合って欲しい」

とか

「パソコンの設定をして欲しい」

とか

いろいろ依頼というかお願いが来るのである。

 

中には

「自分が死んだ時の葬式手配を頼む」

などと言って

相当な額のお金を払おうとした1人者の中年女性もいた。

さすがに

「たぶん、お宅より私の方が先だからダメ」

「私の葬式に使っちゃうよ」

と断ったが

探偵のところにもいろいろな頼みごとが来るのである。

 

 

しかし、そうは言っても

みんな故あって、というか

浮気調査やら人探しやらという

何かしらの縁があってお客さんになった人たちである。

 

断る理由もないし

困った時に思い出してくれただけでも

ありがたいものである。

 

というわけでセッセと手伝いをしている探偵である。