不思議なラブホで張込みした話し

車にGPSを密かにつけて監視してた浮気者のオッサンがいた。どこに行こうが「神の目」で監視されているわけである。

そのオッサンが某所のラブホに入ったので不肖も現地へ追いかけラブホの駐車場に入った、当然夜のことである。

ガランとした駐車場に車を止め、帰り際のツーショットのベストポジションを押さえ、後ろの席に隠れて待っていると数十分後・・・・。

管理人らしき男性が懐中電灯を照らしながら、駐車場に止めてある車のナンバーをチェックにしきた。奥の方の車をチェックし、こちらにライトを向け近づいて来た。いくら窓がスモークになっているとはいえ、強力なライトを照らされれば人影は見えてしまう。それにフロントでモニターを見ているはずだから、駐車場内をあちこち移動したのは判っているであろう。さらにその車から人が降りてこないのも判っているはず。

「籠城」を諦め、車から降りて「探偵」であることを正直に話し、状況を説明したのであった。ここでヘタに籠城すると警察に通報される可能性大でやっかいないことになるのである。

管理人が説明に納得してくれてガランとした駐車場でお互い名刺交換となった。さらにフロントというか管理室へ案内してくれいろいろ話しをしてくれた。

曰く、ここは不倫カップルがほぼ100%のホテル、車2台で来るカップルも多い、多くの客が休憩時間の3時間を目一杯使って帰る。

さらに、車のナンバーを教えたら彼らが入った部屋まで教えてくれて「まだ2時間●分あるからここでゆっくりしてね」とありがたい言葉。

肝心な点はボカしながらも今回の調査のことを説明すると、「ちょっと待ってね」といって利用者の車のナンバーを控えたノートを持ってきて「この人●月●日にも来てるよ」「特徴ある車だからよく覚えてる」と過去に来た日まで教えてくれてヘビーユーザーであることも判ってしまった。おかげで浮気調査も一気に加速して依頼人も知らない来店頻度が把握できてしまった。

「ツーショットが欲しい」と話すと、敷地内あちこちにあるモニターカメラを動かして確認してから「これじゃ顔がよく映らないなぁ~」と言って、不肖を外に連れ出して車に乗る姿が撮れるベストポジションを教えてくれるという大サービスであった。

そして、彼らが帰ったあと「あいさつ」しに管理室へ向かうと出て来た支配人が「使った部屋見る?」・・・・。ということで一戦交えた後の部屋の写真まで撮れてしまったのである。

いやいや何とも言い難い「親切」なラブホであった。ここまで協力してくれるなぞ信じられん。

先方も最初は「浮気してる女性のダンナか?」と思い、「ここで騒ぎになったらタイヘンだ」と焦ったらしい。身内が追いかけてくると高確率で刃傷沙汰になるそうである。そう思っていたら探偵で、名刺まで出してきたので「ホッ」としたそうである。探偵と会うのは初めてだそうで喜んでくれていた。

この案件の間はこれからもお世話になりそうなラブホなのであった。

このホテルは場所は辺鄙な所にあるが手入れが行き届いていている。敷地が広く掃除もタイヘンであろう。「知る人ぞ知る」といった隠れ家である。料金も「エッ」と驚く低価格であった。関東から離れるとこんなホテルもあると知って恐れ入った。