70代夫の女性問題による離婚騒ぎ

「コロナ前とコロナ後」と言った言葉が使われ、さらには「新しい日常」などという言葉も出回りまるで「新世紀到来」のような感じだな。

不肖の探偵事務所もまさに新世紀到来のような依頼が来るようになった。

それは、「70代夫の女性問題による離婚騒ぎ」といった、以前はまったく無かったような案件。「70代の不倫相手が浮気した」といった家族ではなく、第三者からの案件はチラホラあったが、このところは家族からの依頼。

「人生100年時代」と言われるようになったが、100年にもなれば浮気する機会も増えるだろうが、生きている間に家族に浮気が発覚していしまう機会も増えてしまう。

このところ受けた案件では、「確かに交際している」というもの、「過去の悪事がバレた」というもの、「無意識に自らの悪行を話す」といったものに集約されている。

さらには、軽い痴呆が出てきて過去と現在が話しに混ざっていたりする人もいた。こうなると現在進行形の浮気であったとしても、奥さんとの会話の中でついつい浮気相手との話しが出てきてしまい自爆となる。

家族には秘密にしていた「隠し預金」をセッセと相手に渡す人もいて、夫婦間の問題から家族全体の問題に発展してしまったりする。

そういえば知り合いの親で、家族に知られずに愛人に金を貢いでいた父親がいた。それが判明したのは父親が死んだ後、いろいろ整理をしていた時であった。自営業で仕事柄、帳簿類の記帳は怠らず自分の家計についても記録があった。通帳から定期的に送金され、さらにエステとかにも送金していた。この人も70代だったが、この歳でエステに行くとは考えられん。「怪しい」「オカシイ」と騒いでいたら、愛人がやってきて「金を要求」してきたのであった。まぁ、この父親は何年も前に奥さんを亡くし、マンションに一人住まいだったのでこういったこともできたのだろうし、一人なので浮気でもないだろうが、もしかするとまだ奥さんが生きている時からだったのじゃないか、と皆が疑心暗鬼になっていた。

また、昔の依頼人で会社経営の男性は、不肖の探偵に「愛人になってくれる女性探してください」とまで言ってきた。冗談かと思ったら真剣なのには驚いた。この人も当時70代寸前であった。

もうこの辺の年齢になると「よほど」の男でない限り、「金で釣る」しか方法が無いようである。だから、高齢者、特に70歳前後からの浮気というか女性問題は「金に直結する」と皆に言っている。

「うちのダンナにはあり得ない」と豪語する奥さん連中も多かろうが、そんなのアマイアマイ。不肖の元依頼人には風俗関連の女性も多いが彼女たちも「ジーちゃん多いよ」「年金出ると来るよ」と皆が言っていた。ソープだろうがデリヘルだろうが、年金受給者は安定顧客となっている。中にはヘビーユーザーもいて、「さすが人生100年時代だ!」と感心している。

こういったプロ相手ならマシかもしれない。しかし「愛人紹介して」とか女性を物色しているジーちゃんとなると、どこで変なのに捕まるか判らない。また、交際期間も長くなれば相手だって歳をとるので、今後の生活の心配が出てくる。どこかのタイミングで「一括払い」を要求される可能性もあったりするだろう。

 

話しが脱線してしまったが、こういう事態が発覚すると奥さんは「よくも何十年も私を騙してきたな!」ということで離婚を考える。そりゃもう、40代とか50代の奥さんの怒りどころではない。中には「残りの人生捨ててもいい」ということで「アイツを殺して自分も死んでやる」と不肖に電話で言い続ける人もいる。まったく探偵事務所ではなく「高齢者用の命の電話」である。

たとえ離婚しようと考えても、果たしてその後の生活が可能なのか?慰謝料を払わせるといってもちゃんと払うのか?モメて長引いた時それぞれの健康問題はクリアできるのか?等など問題はいろいろ出てくる。

70代に入ってからの離婚というのは難しいだろうな。

 

ということで、不肖の探偵にとっての「新しい日常」は高齢者問題と共に動き出したのである。

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